こんにちは、昭平令です。
今回は、私が実際に手にし、試奏してきたビンテージギター
について、その感想と、良し悪しをギター回顧ろっく8⃣の続きから
お話しします。
あくまで素人の個人的な感想ですので、好みに偏りがあるかも知れません
が、あなたのアコギ選びに少しでもご参考になれば幸いです。
手にしたアコギの数々
(マーチンについてはギター回顧ろっく9⃣で語っておりますのでここでは
省略します。)
私がアコースティックギターを購入したのはヤフオクがほとんどです。
記憶に残る限り今まで出会ったギターを紹介しますと、
Headway、YAMAHA、YAMAKI、ARIA、
Cat’s eye(東海)、S・ヤイリ、K・ヤイリ、
Asturias、Gibson、Kawase(マスター)、Tacoma、
モーリス、Jumbo、Furch(フォルヒ)、Alhambra、Rider、Larrivee、グレコ、K.country(春日)、ThreeS(鈴木)
などなど。
(なお12弦ギターやクラシックギターは除いてます。)
それでは、思いつくままに紹介していきます。
Headway HD-115
アコギ好きの間では有名なブランドで、1977年にマスタービルダー百瀬氏が創業した
Headwayは、現在でも数々の名器と呼ばれるギターを提供しています。
創業当初のHD-115はマーチンのD-28を忠実にコピーしたモデルですが、
私が手にしたのは、HD-115 2009editionです。

私のヘッドウェイです。
オークションで比較的お得に落札でき、届いたギターを弾いてみると、手持ちの
マーチンのHD-28Vにルックスも似ていますが、サウンドも負けず劣らず、
低音から高音までバランスよく、気持ちよく鳴ります。
本家の3分の1ほどの価格でこの音を出せるのですから、日本のHeadwayの技術力
に感心しました。
仕様は、ペグはオープンバックで、スキャロップドブレージング、フォワードシフテッド
ブレーシングを採用してますのでまさしくHD-28Vそのものです。

スキャロップドブレージングはこんな感じ。
今現在も愛用し続けてます。

私の宝物です。
いつかは、1970年代のHD-115を試奏してみたいと思ってますが、オークション
でも人気が高くなかなか手が出ません。
S・ヤイリ YD-306、303、SYD-2000
現在はキョーリツコーポレーション傘下になり廉価な海外製産のギターを販売して
おりますが、1980年ころまでは、YDシリーズをはじめ優秀なアコギを
生産していたブランドです。
私が手にしたのは、YD-303とYD-306、SYD-2000でした。
SYD-2000
SYD-2000は寺田楽器が2000年に限定製造販売したモデルで、
以前のS・ヤイリとは別物のギターでした。私も購入当初は知らずに買ってしまい
あまり鳴らないのでガッカリした記憶が有ります。
YD-303
YD-303は1980年代で、トップスプルース単板、バックがハカランダの
合板でした。
見た目は確かにハカランダはキレイですが、合板ですとローズウッドとの
差があまり分かりませんでした。どちらかと言うと少し硬い音です。
YD-306
YD-306は1970年代のものはバックがハカランダ単板が有りますが
私が手にしたのは、1980年ころのバックがローズウッド単板でした。
しかしこれが驚くほどよく鳴りました。低音も迫力があり、中高音も大きく
音に伸びがありました。
どうしてもK・ヤイリのイメージを持っていた私は、買ってもあまり期待して
ませんでしたが、いい意味で期待を裏切られました。K・ヤイリとは別もの
です。
今現在は経営母体も変わり、残念な海外製造ギターがほとんどですが、
1970~1980年ころのS・ヤイリはどの型番でもいいですから
一度試してみる価値があると思いますよ。
YAMAHA FG-450・700・500J・600J、 L-5,6 LA-8、LL-31B
ヤマハは他にも試奏したギターが有りますが、今覚えているのはこれ位です。
FG-700
中でも1972年のFG-700は、よく鳴りました。
あまり使いたくない表現ですが、爆音でしたねぇ。

FG-700

このボディーバック、ハカランダなのかな?
ギター自体の作りもしっかりして重みがあり、ピックで弾くとやかましいくらい
鳴りました。トップはスプルース単板、サイドはハカランダ合板、バックは
ハカランダ単板と言う仕様。
詳しくはわかりませんが、ブラジリアンローズウッドではない可能性が
あります。このFG-700も見た目「ええっこれがハカランダですか?」という模様と色をしており、あのハカランダ特有の甘い香りもしませんでした。真偽のほどは分かりません。)
という疑問もかすむくらいにいい音してましたよ。ただ鳴りすぎて、高音が
少し埋もれてしまう感がありました。
このヤマハのFGシリーズにはサウンドホール内のラベルの色によってビンテージギターとしての値打ちが違うようです。
最も有名なのは赤ラベルですねぇ、数年前FG-180の赤ラベルがオークショ
でも10万円以上の値段を付けて取引されてました。その頃人気の「ゆず」が
使っていたこともあり、異常な値上がりをしてました。
私は傍目に、「そんな鳴りもしないオール合板のギターになんで10万円も払う?」と冷めてましたが、ブームとはそんなものですかねぇ。
同じ赤ラベルでもFG-450は確かになりましたよ。
1970年代初期の45000円ですから結構いい値段ですけど。
作りもよく、素材も180とはひとランク上の物を使用してますからよく鳴って
当然ですが、ただどちらかというとストローク派向けのギターかなと思います。
私のようなフィンガーピッキング派には一音一音の響きに不満が残ります。
FG-500Jと600J
FG-500Jと600Jはともに黒ラベルのギターでした。
1974年ころのギターですが、どちらも余り上品な音はしません、
どちらかというと荒っぽいガチャガチャした音でした。
赤ラベルから2年程でこんなにギター(FG)が変わるものなのかと
いう印象を受けました。
L-5,6
L-5,6はヤマハの高級シリーズとして1970年後半から販売されたもの
です。確かに使用されている木材は、目の詰まった良い物でしたが、鳴り方は
どちらも平凡な感じでした。
もちろん前期モデルの方が、使われている材もいいですし、
よく鳴ります。

Lシリーズ前期モデル、後期型より価格が2倍以上高い。
本当はL-8、L-10、L-15あたりを探していたのですが、なかなかいいものに出会えませんでした。私のようなマニアが高額でも取引していて、お手頃なものが見つかりにくいです。L-10の前期モデルは今でも欲しい一本です。
音に深みがなく、硬い機械的な印象です。万人ウケする優等生の音です。ヤマハが目指しているギターは、スタジオやステージでの使用を前提に、イコライザーやエフェクターに相性のいい、加工しやすい音を出すギターのような気がします。弾き手(プレイヤー)に響くギターではなく、聞き手に響くギターなのかもしれません。
ヤマハにはこの他にもテリーズや、LL-55などの高級機が有りますが、
おじさんには手がでませんし、そこまで出してヤマハを購入する気には
正直なれません。ヤマハファンの方ごめんなさい。
ビンテージギターにはブランドごとに結構コアなファンがいます。
参考までにいくつかご紹介させて頂きますので、今回はこの辺で。
§ アコースティックギター選びのノウハウ
(少し情報としては古くなりますが、よくぞここまで調べ上げたなぁ、
と感心するくらいの情報量です。ヤマハにはとても詳しいですよ。)
§ ギターについて真面目に考えるBrog
(アコギ、だけでなくギター全般を詳しく記事にしてます。)
§ YAMAKI解体新書
(ヤマキのギターについて知りたければ取り合えずここへ。)
§ guitar site WAVE
(cats eye(東海楽器)の事ならここ一番)
§ ヘッドウェイ ギター最高
(Headwayの事なら取り合えずここで調べてね。)
§ 5th-street
(アコギについてのメンテナンスなど深く掘り下げた内容です。)
§ Martin D-28徹底研究
(すごい!ここまでやるか、といううくらいD-28への愛情を感じます。)
コメント