こんにちは
パソコンの自作歴15年以上の経験からお話しします。
前回普段使いのノートパソコンに最適なCPUを紹介しました。
今回は、ディスクトップパソコンを自作する場合、CPUの次に大事なマザーボードの選び方について。
パソコンを自作するにあたって、まずはCPUを決め、次にそのCPUに適したマザーボードを決定することになります。
マザーボードを選ぶ条件はだいたい次のようになります。
パソコンの使用目的によって異なりますが、以上の条件を考慮しながら選んでいくことになります。
以下具体的に説明していきます。
マザーボードのCPUソケット
CPUを装着するマザーボードのCPUソケットの種類はたくさんあるので迷ってしまいます。
今主流のCPUは、Intel core iとAMD Ryzenになりますが、それぞれのCPU世代によってもソケットの形状が異なります。
せっかくCPUを決めてもソケットが合わないと使えなくなるわ。
Intel Core の第8~11世代、AMD Ryzen の第2~3世代で適応するソケットを見てみると、
Intel CPUの世代 | ソケット | AMD CPUの世代 | ソケット |
---|---|---|---|
Core i 第8世代 | LGA1151 | Ryzen 第2世代 | AM4 |
Core i 第9世代 | LGA1151 | Ryzen 第3世代 | AM4 |
Core i 第10世代 | LGA1200 | ||
Core i 第11世代 | LGA1200 | ||
Core i第12世代 | LGA1700 |
Core iシリーズの3,5,7のソケットは同世代なら同じソケットになります。
AMD Ryzenシリーズの3,5,7も同様です。
例えばCore i 5 10世代なら、ソケットはLGA1200になります。AMDは最新版(2022年発売)以外はAM4一択です。
チップセットの種類
ソケット形状の次に大事なのが、マザーボードに搭載されたチップセットです。
チップセットとは、
チップセットは、CPUで処理したデータをメモリやグラフィックボードやHDDやキーボードなどの各機器に送ったり、各機器の管理を行なったりしています。チップセット自体は単体のパーツではなくCPUと一体化していたり、マザーボードの部品である集積回路の一部となったりしています。
CPUとチップセットによる各パーツや機器との連携が高速かどうかで、パソコンの性能が左右されます。
ということなので、いくら高性能のCPUやメモリー、SSDやグラボを装備してもチップセットの性能が悪いと足を引っ張る事にもなりかねません。
チップセットにはIntel用とAMD用があります。
Intel用チップセットの型番は、Z690、H570のようにローマ字と3桁の数字で表記されます。先頭のローマ字がグレードを表し、Z>H>B>H(廉価版)*注の順の性能になります。
*注 HグレードでもH510やH410など二桁目が1の場合は廉価版のグレードになります。
先頭のローマ字 | 簡単なスペック |
---|---|
Z | 最上位のフルスペックチップセットでオーバークロック可能。 |
H | Zクラスからオーバークロック機能を除いた上位グレード(ハイパフォーマンス) |
B | 上位グレードよりポート数を少なくしたビジネス用 |
H(コンパクト) | コンパクトサイズのマザーボード用に機能を絞られたチップセット |
ローマ字の次の数字がCPU の対応世代を表します。
Z690なら第12世代、H570なら第11世代、B460なら第10世代になります。
AMD用チップセットの型番は、X570、B550のように表記され、グレードはX>B>Aの順になります。
先頭のローマ字 | 簡単なスペック |
---|---|
X | AMD最上位のチップセット、オーバークロック対応 |
B | オーバークロック可能な中級チップセット |
A | 必要最小限の廉価版チップセット |
やはりローマ字の次の数字が対応世代を表し、5なら第2・第3世代、4なら第1世代となります。
チップセットとメモリの関係
詳しい説明は省きますが、一時記憶装置であるメモリも進化し続け現在の主流はDDR4という規格です(最新版はDDR5)。
Intel core iシリーズでも第5世代まではDDR3でした。DDR3に対応したチップセットの型番は、H97とかB85などローマ字+二桁の数字で表された型番になります。
DDR3とDDR4はピンの数が異なるため、マザーボードにあるメモリースロットの形状も違います。
なので、DDR3とDDR4に互換性はありません。
【チップセットごとの対応メモリ】
CPU | チップセット | ソケット | 対応メモリ |
---|---|---|---|
Core i 5世代以前 | H87、B85など | LGA1150など | DDR3 |
Core i 第6世代~第9世代 | H370、B360など | LGA1151 | DDR4 |
Core i 第10、11世代 | H570、B460など | LGA1200 | DDR4 |
Core i 第12世代 | Z590など | LGA1700 | DDR4、DDR5 |
Ryzen 第1~4世代 | どのチップセットでもOK | AM4 | DDR4 |
メモリはDDR4を選択すればほとんど問題ないけど、古い中古パソコンに増設する際は気をつけてね。
ちなみに最新版のDDR5もDDR4とは互換性が無いので注意した方がいい。今のところDDR5は価格も高くDDR4との性能差もさほどないから選択するメリットも少ないと思う。
DDR5についてはこちらが詳しいです。↓
マザーボードのサイズ
マザーボードの基板サイズは規格で決まっており、ATX、microATX、Mini-ITXの3種類が主に使われています。
おおよそのサイズは
- ATX 305×244mm
- microATX 244×244mm
- Mini-ITX 170×170mm
です。もちろん基板が大きいほど端子や拡張スロットの数が多くなり、拡張性が高くなります。
一方、デスクトップパソコンのケースサイズには、主にフルタワー・ミドルタワー・ミニタワーがあります。
おおよそのサイズは、
- フルタワー 600㎜×600㎜×300㎜(高さ×奥行×幅)
- ミドルタワー 500㎜×500㎜×250㎜
- ミニタワー 400㎜×400㎜×200㎜
になります。
マザーボードのサイズが決まっていれば、ケースもそれに合わせて選ばなければなりません。
マザーボードのサイズと対応ケース | フルタワー | ミドルタワー | ミニタワー |
---|---|---|---|
ATX | 〇 | 〇 | × |
microATX | 〇 | 〇 | △ |
Mini-ITX | 〇 | 〇 | 〇 |
御覧のようにミニタワーのケースで自作する場合は、注意が必要です。
また、サイズは合っても、マザーボードの固定ボルト穴がケースのねじ穴とピッタリ合わないこともあるので気をつけてね。
サイズによる拡張性
パソコンの拡張性はマザーボードサイズにより左右されることになります。サイズが大きければ、グラボなどのカードスロットやハードディスクの増設に必要な電源、デバイス端子の数も増えます。
【ATXサイス】
- 拡張スロット 6
- メモリスロット 4
【microATXサイズ】
- 拡張スロット 4
- メモリスロット 4
【Mini-ITXサイズ】
- 拡張スロット 2
- メモリスロット 2
概ね以上のようになります。
USB端子、映像出力端子、オーディオ端子などの端子類は、背面のI/Oパネルに配置されますが、その数はマザーボードのサイズとグレードによって様々です。
サイズが大きいほど、グレードが高いほど端子の数も多くなります。
最近は、USB3.0の端子を使うデバイスがとても多いです。マウス、キーボード、外付けSSD、無線wifiなどなど。なのでUSB端子も必要に合わせて確保しておきたいですね。また、モニターに接続するにはHDMI端子が主流ですので、複数モニターを利用したり、テレビへ出力する際にはHDMI端子の数にも気を付けて下さい。。
電源ユニットについて
電源ユニットについても少しだけ説明しておきます。
電源ユニットはケースに付属しているものもあります。単体で購入するより組み立てる手間が省けるので、ケースを選ぶとき電源ユニット付きのケースを選ぶことをおすすめします。
電源ユニットが付いた状態の方が、パーツを組み込んだ後のケース内部をイメージしやすい。
また、電力(ワット)ですが、通常使用のパソコンならば300wもあれば十分です。
別途グラボを増設するならば、400w以上は欲しいところ。
まとめ
以上のような基準をもとにマザーボードを購入すれば、失敗は少ないと思います。
ゲーム用の性能重視にしたいか、ビジネス用途で十分だとか、あなたがどんなパソコンを作りたいかイメージしてね。そしたら、必要なサイズやスペックが見えてくると思います
例えば、普段使いのパソコンのマザーボードなら、
- サイズは、microATX
- チップセットのグレードは、IntelではH、B。AMDではB。
を選べば間違いないと思います。
もちろん対応するCPUソケットやメモリ規格などには十分注意して選択してください。
今回はマザーボードの選び方・ポイントについてお話ししました。
この記事がどなたかのお役に立てればうれしいです。
それでは
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