こんにちは
過払い金返還請求を検討している方の中には、
「過払い金を請求したらブラックリストにのるの?」
と不安に思って、請求を躊躇している方もおられるんじゃないでしょうか?
今回はその疑問を解き明かしたいと思います。
そもそもブラックリストとは?
そもそも「ブラックリスト」ってなに?
「ブラックリスト」と言う言葉自体は、いろんな所で使われていますが、金融業界では、
「取引上の事故情報」
の事を指します。
「ブラックリスト」は俗称で、正確には信用情報機関に記載された
事故情報のことです。
クレジットやローンの契約をした後に、支払いの延滞や債務整理、破産などがあった場合、信用情報機関が「借主の信用(支払い能力)に問題あり」と判断し事故情報として登録します。
簡単に言うと、あなたの信用情報に傷がつくと言うイメージ。
信用情報機関*注が事故情報として登録するのは、概ね以下の場合です。
- 2~3ヶ月以上の支払いの延滞
- 保証債務の履行、代位弁済
- 任意整理
- 破産
- 個人再生
*注 信用情報機関はJICC、CIC、KSCの3つあり、それぞれで事故情報の扱いにも若干の違いがあります。
また、一度事故情報として登録されてしまうと、5~10年間も登録され続けることがあります。
金融機関はローン契約やクレジットカード発行の際に、信用情報機関の情報を参照し申し込みの可否を決めますから、もし事故情報として登録されてしまうと、最悪10年間はローン契約やクレジットカードを持つことができなくなる可能性があります。
過払い金返還請求とブラックリスト(事故情報)
では、過払い金返還請求をすると事故情報として登録されるのでしょうか?
答えは、「ほとんど問題ないが、事故情報に登録されるケースもある。」です。
過払い金返還請求は債務整理なのか?
過払い金返還請求が債務整理ならば、前述したようにブラックリストに登録されます。
しかし、過払い金返還請求は債務整理には当たりません。
お金の貸し借りの契約をすると、借りる方が債務者、貸す方が債権者(金融機関等)となります。債務整理は債務者が債権者に借金の減額をお願いする行為ですが、過払い金返還請求はその立場が逆転します。
ややこしいですが、債務者だったあなたが、消費者金融などの債権者
に、当然返還するべき過払い金を返せと請求するわけですから、
あなたが債権者となり、金融機関側は債務者となります。
ですから過払い金返還請求は、債務整理には当たらないと判断されています。
ただし、例外があります。
借金を完済後に過払い金返還請求をした場合や、返済中でも過払い金額が残債額を上回っている場合は問題ありません。
しかし、返済途中であって過払い金を返還されても、残債が残る場合は債務整理の一つとして扱われてしまいます。
残債が残るから借金の減額請求(債務整理)と同じだと判断されるわけね。
ですから、信用情報機関に「事故情報」として登録されるかどうかは、過払い金を請求しても残債が残ってしまうかどうかで判断できます。
社内ブラック
前述のように、過払い金返還請求をして信用情報機関に「事故情報」として登録されることは無くても、借り入れた先の金融機関の中には社内的に「事故」として取り扱う場合があります。それが俗に「社内ブラック」と呼ばれるものです。
金融機関側からしたら、心情的には過払い金返還請求をしたような顧客と
はもう取引したくないと考えるのも分からなくは無いけど。
貸金業者のほとんどは、信用情報機関以外にそれぞれの会社内に独自の信用情報を持っています。
たとえば、A社に過払い金返還請求をした場合、信用情報機関には「事故情報」として登録されなくても、A社内の信用情報としては「事故情報」として扱われ、過払い金返還請求した以降、あなたはA社と取引できなくなります。
「社内ブラック」扱いになる期間は、各社まちまちのようです。3年間
だったり、5年間だったり、中には永久に登録され続けることもあるよ
うです。
私が過払い金返還請求をしたのは主に消費者金融でしたが、もう2度と
利用しない決意で臨んでいたので、「社内ブラック」が足かせになる
ようなことはありませんでした。
まとめ
過払い金返還請求は、
- 既に完済している。
- 請求後に変換される過払い金が存在する。
場合には、債務整理には当たらないので、原則的には信用情報機関に「事故情報」として登録されることはありません。
つまり、ブラックリストに載ることはないと言えます。
ただし、借金の返済中であり、過払い金の返還を受けても債務が残る場合は、債務整理とみなされ、信用情報機関に「事故情報」として登録されてしまいます。
今あなたが、過払い金返還請求を検討しているならばまずは、借入している貸金業者から取引履歴を取り寄せてみて、事前に過払い金の有無を確認されることをおすすめします。
過払い金返還請求は過払い状態が存在する限り、だれでも請求することができます。
司法書士や弁護士に依頼することも、自力で頑張ることもできます。
ただ、「社内ブラック」などのように、それなりのデメリットが存在することも覚悟しておかなければなりません。
過払い金請求のデメリット、注意点などは次回詳しく記事にしていく予定です。
今回は以上です。
この記事がどなたかのお役に立てればうれしいです。
それでは
▼困ったときは債務整理の専門家に頼りましょう。
アヴァンス法務事務所
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