前回,海外送金サービスの仕組みや、取り扱い機関についてお話ししました。
海外送金を考えるときまず何を基準に送金事業者を選ぶのか?
大部分の方は、
- 安心感
- 手数料の安さ
- 送金にかかる日数
- 手続きの簡単さ
で選ぶでしょう。
前回も説明しましたが、銀行やゆうちょ、PayPalなどは安心感はあっても手数料が高額になります。
*1,2 リフティングチャージもコルレスチャージも各銀行の手数料ですが詳しくは前回の記事参照
ただその資金移動サービスもたくさん事業者が参入していて、現在80社ほどあります。これではどこを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
※関東財務局に認可を受けている業者一覧↓
代表的な事業者と言えばMoney Gram、Xe、Xoom、PayForex、Wise、WesternUnionなどなど。
それぞれの事業者についてホームページや口コミの評判など詳しく調査したましたので、以下の評価を参考にしてください
・Money Gramは最近口コミの評価が極端に悪く、おすすめする気にはなれません。
(口コミサイトTrustpilot参照)手数料も安くはない。
・Xeはイギリスの事業者ですがホームページを見ても日本人に優しくないし、
為替レートもさほど良くない。
・XoomはPayPalの海外送金部門ですが、日本語対応してなくやはり為替レート
が低くいので手数料が高くなる。
・PayForexも為替レートと手数料が高額です。
そんな訳で、今回は中でもおすすめできる資金移動サービス業者2つ
WiseとWesternUnionについてお話しします。
この記事は、私が実際に利用した海外送金(日本⇔中国間の送金)サービスをもとに書いております。なので、国による手数料の差、手続きの違いによって評価が異なるケースもあります。
おすすめ海外送金サービス2社
2010年より資金決済法が改訂施行され、100万円以下なら財務局への登録により資金移動業者として為替取引ができるようになりました。
現在登録業者は80社ほどありますが、中でも知名度や実績、手数料の安さでおすすめできるのは2社です。
WesternUnion
WesternUnionはアメリカで創設された160年以上もの歴史のある資金移動サービス会社です。
WesternUnionのメリット・デメリット
- 世界200か国以上の国に50万以上の取扱店を持つ。
- セブン銀行、ファミリーマートからも送金できる。
- 専用アプリでスマホから簡単送金。
- 着金が速い
- 現地取扱店で現金で受け取れる
キャンペーンじゃなくても手数料は十分安いなぁ。
WesternUnionは歴史も長く信頼度ではNo1の事業者です。また各国の取扱店舗の多さも突出しているので、取引に不便を感じることが少ないでしょう。
- 独自の為替レートを採用しているためコスト全体がつかみにくい。
- セブン銀行、ファミリーマートが使えるが、手数料が別途2000円必要。
WesternUnionは自社のホームページにも記載がある通り、独自の為替レートを採用し利益を得ています。
Western Unionは、通貨換算によって利益を得ています。送金サービスを選択する際には、送金手数料と換算レートの両方を慎重に比較検討してください。手数料、外貨換算レート、および税は、様々な要因によってブランド、チャネル、および店舗ごとに異なります。手数料と換算レートは予告なく変更される場合があります。
WesternUnionのホームページより
WesternUnionのホームページでシミュレーションしてみると↓
上図のように日本から10万円送金した場合、手数料は600円となってますが、
2022年5月11日現在の実際のレート*注は、 1元=19.3761円なので10万円を換算すると、5,161元になるはずです。
*注 為替レートはOANDAで調べました。
と言う事は、5,161-5,121=40元(約775円)がWesternUnionのレート差益となります。ですから、実際の手数料は、600+775=1,375円です。
ただしこれはWesternUnionの採用レートが不明なため実際のコストとは異なる可能性があります。
オンラインで見積を出すことができますが、取扱店での手数料と異なることもあるそうなので注意が必要です。2020年2月13日時点のオンライン見積では、100,000円を送金額に入力すると、送金手数料は現金受取で390円、銀行口座受取で790円と表示されました。その他、中継銀行手数料がかかることもあるようです。
また、セブン銀行やファミリーマートを通して送金すると独自レートにプラスして
別途手数料2,000円が必要になります。↓
WesternUnionの特徴でもある取扱店の多さですが、上記のように各店舗によって為替レートや手数料が加算されるので、送金にはオンラインを利用する方がお得でしょう。
当たり前だけど、為替レートは日々変動するから手数料の総額
がつかみにくいなぁ。
それでもWesternUnionの手数料の安さは魅力的よ。
WesternUnionのホームページ↓
Wise
Wise(旧TransferWise)は2011年創業の比較的新しい事業者ですが、送金手数料を抑え、為替レートによる隠れコストを0にした画期的な業者で、現在利用者は900万人を超え毎月の処理額は40億ポンド(約5,163億円)を上回ります。
そのシステムについては詳しくは省略しますが、簡単に言うと貨幣の交換をせずお互いの国内で送金から着金まで行えるシステムです。
詳しくは動画をご覧ください↓
Wiseのメリット・デメリット
TransferWiseにはリアルタイムの為替レートを確認する通貨換算ツールや、自分が希望するレートで送金のタイミングを知らせてくれる為替レートアラートツールなどがあり、ユーザーにとても親切な配慮がなされています。
急がない送金なら為替レートアラートはおすすめです。
Wiseの最大のデメリットは、海外に銀行口座が必要なこと。特に中国は
日本人が口座開設するのは難しい。
受取人が中国人なら問題ないけどね。ただ口座が無くてもAlipayが
あれば大丈夫よ。
TransferWiseの魅力は隠れコストのない手数料総額の安さです。
ただ、Wiseのホームページで謳っているような手数料の透明性については少し疑問が残るのも事実。
Wiseの手数料は非公表ではありますが、およそ次のような構成だと思われます。
固定手数料134円~140円+変動手数料率(送金金額の0.64%~1.5%)
これは数あるWiseの取引事例を参考にわたしが独自で算出した金額ですが、概ね実際の手数料に近いと思います。
Wiseにおいても実際に送金をシミュレーションしてみないと正確な手数料は把握できませんが、ここ数年企業努力と競合他社との兼ね合いにより幾度となく改善し手数料を抑える方向に向かっているのは間違いないですね。
WesternUnioとWiseの比較
それでは簡単に両社を比較してみましょう。
以下の表は日本から中国へ10万円送金した場合の例です。
2020年12月21日付けでそれぞれのホームページの送金シミュレーション
を使って比較しました。
WesternUnion | Wise | |
---|---|---|
手数料 | 通常は390~790円(キャンペーン中無料) | 1,464円 |
為替レートによるコスト | 1,000円(概ね送金額の1.0%前後と思われる) | 無し |
手続き | 取扱店舗、ウェブから簡単 | ウェブで完結できるが少し手間がかかる。 |
受け取り | 取扱店舗、銀行、alipay | 銀行、alipay |
着金日数 | 最大で6営業日 | 最大で2営業日だが、数時間で完了することも |
スマホ専用アプリ | 有り | 有り |
口コミ評価(TrustPilotによる) | 3.0 | 4.7 |
まとめ
今回数ある海外送金サービスの中から特におすすめの2社についてお話ししました。
WesternUnion、Wiseそれぞれにメリット・デメリットはありますが、送金にかかる手数料の総額にはさほど差はないような結果となりました。
ただ他社との比較では明らかに2社の手数料の安さが際立っております。
個人的には、企業の成長ぶりや将来性を見込んでWiseがおすすめかなぁ。
もしこれから海外送金をお考えでしたら、ご紹介の2社どちらかを選択されれば間違いないでしょう。
2社それぞれの利便性をよ~く検討し、あなたによりマッチした資金移動サービスをご利用されることをお勧めします。
それでは。
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